| 配転転換、出向(在籍)、転籍 |
企業活動が多様化、広範化するに伴い、配転・出向等の人事異動が頻繁に行われるようになっています。しかし、その中には、労働者の生活に大きな影響を与える場合もありますし、合理性が疑わしいケースも見られます。その性質や問題点を理解して対処を考えましょう。
>配転
配転とは、同一企業内での労働者の職務内容又は勤務地の変更をいいます。そのうち勤務地の変更は転勤ともいわれます。
>出向(在籍)
出向(在籍)とは、従来の雇用先企業の従業員としての地位を存続させたまま、他の企業の労務に従事させることをいいます。
>転籍(移籍出向)
転籍とは、今までの企業の従業員としての地位をなくして、他の企業の従業員として移籍することをいいます。つまり、この場合、労働契約の当事者である使用者(会社)が変わります。
※ 在籍出向と転籍を区別せずに「出向」と呼んだり、「派遣」とか「出張」とかの呼び方がされることがありますが、法的には基本的に性格が違うので区別が必要です。
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| 配転・出向命令等の限界 |
□ 配転の場合
配転先の職務・勤務地が労働契約の範囲内といえるかどうかが、会社による一方的な配転命令の有効・無効の基準となります。その範囲外といえる場合、本人の承諾のない配転命令は、法的に無効です。
明示の契約内容に反していたり、明示されていなくともこれまで当然の前提とされていた職務内容・勤務地を変更する場合などがこれにあたります。例えば、特別な知識・技能・経験を要する職務から、他の職務への変更、思いもよらない遠隔地への転勤などです。
□ 出向の場合
出向を命じる根拠があるか。つまり、採用時の説明や労働契約上の合意で出向について明確にされているか、就業規則・労働協約に具体的な出向規定があるか等を検討する必要があります。そのような根拠がなければ本人の承諾のない出向命令は無効です。
□ 転籍の場合
労働契約関係の当事者(会社)が、変わるものであり、特別な事情がない限り、労働者の個別の同意が必要で、同意のない転籍命令は無効です(民法625条1項)。特別な事情とは、例えば入社時に関連会社への移籍もあることを了解していた場合などです。
※ 以上のような人事異動命令の根拠が一応ある場合でも、会社にとっての配転・出向等の業務上の必要性と、労働者の不利益の大きさを比較してどうか、いやがらせ目的ではないか、組合活動妨害のためではないか等の事情により、権利濫用としてその配転・出向命令等が無効とされることがあります。
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