労働対策推進会

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■サービス残業V(事例集)
残業におけるトラブル (事例)

 株式会社A社の営業部では、毎日残業が行われており、残業代にかえて社員に一律5万円の営業手当を支給している。営業社員のBさんは、担当する顧客が増えたため、毎日の残業が増えて1ヶ月の残業代が7万円となった。そのためBさんは営業手当との差額の2万円を会社に請求した。しかし会社からは「営業手当は、残業代として支給しているので、2万円は支払うことはできない」との回答があった。この場合、2万円の差額分について法律上の請求権はあるのでしょうか?


 この場合、Bさんは会社に対して、2万円の残業代差額分を請求することができます。確かに、会社がとっている固定割増賃金制度(残業代を一律、○万円と決めること)は有効です。しかし、この一律手当の額は、
実際に働いた時間を計算して算出される額を下回ってはならないのです。
 また、会社は、この精算を、支払いの時期ごとに行わなければなりません。たとえば、「前回の支払期は、実際に計算した額が4万円で、一律手当より1万円多く支払ったことになる。今回の支払期は、実際に計算した額が6万円だった。なので、前回多く支払った分と相殺しよう」ということはできないのです。

 

 株式会社C社では、終業時刻後、営業社員に対して、週に1回研修会を開催している。はじめは、自主参加ということで通知されていたが、参加率が低いため、会社は「査定にひびくかもしれない」旨をいっている。これではたまらないと思った社員(D)は、社員を代表して「研修時間についての賃金を支払ってほしい」と会社に要求した。しかし、会社は「明確な業務命令を出しておらず、社員が自主的に参加してる」という理由でこれを拒否した。この場合、研修時間は、労働時間になるのでしょうか?


 この場合、C社は研修に参加した時間を労働時間として取り扱い、賃金を支払う義務があります。これらが、会社の明示的な指示よって行われ、参加を強制される場合には、もちろんこれに要した時間は労働時間として扱われます。しかし、明示的な指示がなく研修に参加した場合に、これが労働時間として取り扱われるか、どうかについて、
黙示的な指示があると認められるときには、労働時間として扱われることになります。では、どういう場合に、「黙示的な指示があった」と判断されるのでしょうか。
 @ 参加する社員の職務内容に関連しているか否か。
 A 職場規律や業務効率などの維持向上に資するものであるか否か。
 B 労働安全衛生法などの法令に基づいて実施するものであるか否か。
 C 参加しないことによる不利益取り扱いの有無。
今回のケースではCの参加しないことについての不利益な取り扱いが予想されることから、研修参加には黙示的指示があったと認めらる。


 私は、平均して月に60時間ほど残業をしていますが、今年から管理職になったため残業手当がまったくつかなくなってしまいました。管理職といっても、仕事の内容はほとんど変わらず、管理手当が2万円ついただけで、実質的には10万円くらいの収入源になってしまいました。この場合、会社に残業代をつけてもらえるように請求することはできるのでしょうか?


 この場合、残業代をつけてもらうように請求することができます。つまり、労働基準法第41条で定められている管理監督者とは、「部長、工場長等、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にあるものの意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである」とされています。つまり、
単に肩書きで判断するのではなく、実質的に管理監督者であるかを判断されます。
     @ 職務内容
     A 責任と権限
     B 勤務態様(出社、退社においての制約、遅刻・早退についての制約)
     C 賃金等の待遇面
 以上の項目を総合的に勘案して判断する必要があります。今回のケースではどの項目もクリアできていないので、法律上の管理監督者とは認められず、一般社員と同様に残業手当が発生します。また、管理監督者に該当する場合でも、深夜業をした場合には、深夜手当の支払いが会社には義務づけられています。

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